カーセキュリティー 2024.10.30 多発する自動車盗難 近年、自動車盗難が急増していると言われています。背景には、円安などによる海外での人気の高さに加え、インターネットで手軽に中古車の売買ができるようになり、国内で違法に中古車として流通したり、犯罪に使用されるパターンもあるとされています。 多くの場合、盗難車両はいったんパーキングなどに放置されるとも言われていますが、ヤードと言われる車輛保管場所や倉庫などでフレームナンバーを偽造されたり、部品を取られるなどして戻ってこないケースもほとんどです。 愛知県が多い理由 海外ではTOYOTA車はブランドが強く人気があります。愛知県は、メーカー集積地で、流通台数の中で特にトヨタ車の比重が高い状況です。その為必然的に盗難被害の件数も多く、愛知県内でトヨタの高級車に乗る場合には特に注意が必要かもしれません。 2023年以降、40系ヴェルファイヤやランクル250、300など人気車種の流通が増えました。2024年以降はプリウスやクラウンなども被害の対象になっております。カーセキュリティーへの意識も高まり、盗難率は下がっているとも言われますが、盗難対応できていない車輛は注意が必要です。 自動車窃盗の手口 自動車窃盗の手口は年々高度化しています。車輛側の電子化に伴い、一旦システムの内部に侵入されてしまうと、本来の持ち主と同じように車輛を扱うことも可能です。カーセキュリティーの技術も進歩していますがいたちごっことも言われています。 【車両盗難の手口】CANインベーダー ECUと言われる車の電装部品に特殊な装置を取付けることで車両自体をハッキングする手口です。車のシステムをハッキングするので純正のセキュリティー機能などが遮断されてしまいます。CANインベーダー用の機器は、緊急時用の車両へのアクセスを可能にするキットとして、海外サイトですが誰でも購入できます。ヘッドライトの裏側の電子制御ユニットなどに直接接続するケースもあると言われています。 【車両盗難の手口】コードグラバー 純正スマートキーから常時発信されている電波からIDをコピーすることでスマートキー自体を複製する手口です。通信距離は100m程度とも言われ、スポーツジムや買い物の間などにスマートキー情報をコピーされるケースもあります。この機器も、純正キーを無くさないためのコピーツールとして海外サイトでも販売されており、日本でも購入することが可能です。 【車両盗難の手口】リレーアタック 純正スマートキーから常時発信されている電波を増幅し、離れたところにある車に中継して接続する手口です。家の中などにあるスマートキーから出る信号を増幅し、中継することで車両にスマートキーが近くにあると認識させます。こちらの機器も、純正キーの電波が弱い場合の補助システムとして販売されている商品になります。純正キーの電波を遮断するために、専用のキーケースに入れたり容器に入れて対策を講じる方も多くいらっしゃいます。 【車両盗難の手口】キーエミュレーター(ゲームボーイ) 2023年ごろから流行している手口で最恐の盗難用品とも呼ばれています。車体から出ている微弱な電波をキャッチ、解析し純正キーの情報をコピーします。解析にかかる時間は数分程度です。スマートキーではなく、車輛側の電波を解析し、ドアの開閉やエンジン始動を行います。物理的にECUなどにアクセスしないため、セキュリティ対策が必要になります。海外で純正キーを無くした場合の対応機器として販売されており、購入することが可能です。 カーセキュリティー 自動車盗難対策 代表的なカーセキュリティー用品 物理ロック タイヤロックやハンドルロックは物理的に車両盗難を予防します。CANインベーダーなどの手口には対応していません。ロック部分を焼き切るなどの手法で解除されます。また、停車ごとに取付ける必要があります。 カーセキュリティー用警報装置 車体の振動などを検知しサイレンが鳴ったり、光で威嚇します。その他のセキュリティ装置と併用される場合もあります。サイレン自体にはエンジン始動を防止する機能はありません。 専用カーセキュリティーキット 車体本体のECUユニットなどに接続し、ソフト的に不正なエンジン始動を防止します。様々なメーカーから色々な商品が発売されています。数万円から数十万円のものまで幅広いのが特徴です。